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流行を並べたてて女の消費欲望をあやつった

娼婦と貴婦人は時に同じメゾンでドレスを誂え、研を競いあったのである。それにしても彼女たちの贅沢ぶりは「家庭」というドメスティックな領域をはるかに超えた文化史の一頁をかたちづくっているが、対照的に、現代にもつながる女の消費を描いているのがかのフロベールの『ボヴァリー夫人』である。パリから遠いルーアンの外れに嫁いだエマは、退屈な田舎の生活を疎んじて花の都パリに憧れる。地方に住む女たちにとってパリは夢のブランド都市であった。エマが愛読するモード雑誌はいやがうえにもパリヘの憧れをかきたててやまない。小説というメディアも雑誌というメディアもそろってパリブランドヘの夢をかりたてる。夜な夜なそれらのメディアを読みふけるエマは、「最新のモードから一流洋装店の所番地、ブローニュの森やオペラ座の社交日まで」そらんじて、かなわぬ夢を追う。退屈な家庭の「外」の恋に焦がれる彼女は、恋の道具の衣裳に凝る。当時はデパートのない地方都市にも信用貸しの訪問販売があって、言葉巧みに時の流行を並べたてて女の消費欲望をあやつったのだ。

指輪の法則おしゃれへの近道は「統一感」

指輪のおしゃれについて考えてみましょう。宝石で一番大切なことは、大きさよりも純度の高さです。たとえ小さな粒のダイヤモンドでも、本物のきらめきは最高です。そして、やはり女性にはダイヤモンドが一番似合います。色彩を持たない輝きは、どんな個性にも溶け込み、その人の色合いに染まってくれます。ここが他の宝石類と違うところです。ダイヤモンドの無色の輝きが色を放つ瞬間、エレガントな女性が出来上がるのです。ダイヤモンドは時を選ばずにいつでも身につけられる重宝な宝石です。昼間はカジュアルに、夜はフォーマルにも使えます。エメラルドのまわりにダイヤモンドをちりばめたものなど、大きな宝石を身につける夜会スタイルにも似合います。

カジュアル度の目安

ミリタリーウェアにはミリタリーウェアの色彩といったようなものが存在し、それは自然に身を隠すときに都合のいい色で、緑や土色である。リゾートウェアにはリゾートウェアの色彩があり、太陽や海の色なのである。アメリカ人はそういうことを感覚的に捉えているので、カジュアルな装いが上手なのだ。日本人にはそれがない。すべて流行として輸入されたためだ。そのためカジュアルウェアをひと括りにする。GIジャケットもポロシャツも並列なのだ。ファッションは自由である。クラシックスタイルのとき以外は何を着てもよいと、私は自著の中で何度も著した。それを修正するつもりはない。だが、カジュアルウェアを身につけるとき、感覚として捉えてほしいのは、もしジャケットを身につけたいなら、パンツはジーンズより、やはり戦争生まれのチノパンなのだ。ブラウンのジャケットの下に、まずカーキ色のチノパンを考える。もともと同じ発想で生まれ、同じ思想をもっているはずだからだ。カジュアルウェは、ビジュアル的、スタイル、色彩の三者が、もっとも顕著に表現される衣服である。それをどこへ着ていくかは別問題として、スウェットの下にはポロシャツ、デニムにはデニムというような、おおざっぱなウェアの把握は大切だ。把握すれば、コーディネイトがしやすくなる。カジュアル性の(度合いの)ランクづけもできる。